最新情報経営者インタビュー

いまと同じ姿ではいられない 2019/10

日本アイ・ビー・エム
下野雅承 氏

GAFA(※1)の台頭をはじめ、テクノロジーをめぐる競争は激化の一途をたどる。
ITの巨人とうたわれるIBMもその大きな激流のなかにいる。
女性、LGBTや障がい者などのダイバーシティー施策の推進者としても知られる
下野雅承IBM取締役副会長に、昨今のテクノロジー企業をとりまく課題を聞いた。

企業を待ち受ける
「2025年の崖」

下野雅承 氏

ニューヨーク・タイムズのコラムニスト、トーマス・フリードマンは著書『遅刻してくれてありがとう』のなかで、「2007年はスーパーノヴァ(超新星爆発)だった」書いています。それは、宇宙の歴史の話ではなく、テクノロジーの世界での大きな変曲点を表現しています。
2007年にアップルのiPhoneが発売され、2008年にはグーグルのOSアンドロイドが携帯電話用のプラットフォームとして発表されました。ハーバード大学の学生が使用していたフェイスブックがキャンパス外に拡大したのも、そのグーグルの元CEO、エリック・シュミットが「クラウド」という言葉を口にしはじめたのもその頃でした。
いまから12年前の2007年、インターネットやブロードバンドの普及と共に、それまで主に企業や官公庁で活用されていたテクノロジーが急激に世の中、社会、個人に拡散しました。そうして、ソーシャル、モバイル、クラウドといった新しいテクノロジーは、世の中の当たり前の仕組みのいくつかを抜本的に変革することになりました。

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※所属・役職はインタビュー当時のものです。