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2025 GOOD FACTORY賞® 花王、東芝産業機器アジア社、BASFジャパン、パナソニックホールディングス、フジテックの5工場が受賞

2025 GOOD FACTORY賞 表彰式イメージ

2025年3月6日、「2025 GOOD FACTORY賞®」の表彰式が明治記念館で開催された。受賞した花王、東芝産業機器アジア社、BASFジャパン、パナソニックホールディングス、フジテックの5工場・事業所の代表者らが出席し、改善・改革活動に日々力を注ぐ各社の受賞を祝った。
今回で13回目を迎えたGOOD FACTORY賞®は、日本およびアジア地域で、工場の生産性向上や品質向上などの改善・改革活動に取り組み、成果を挙げた工場・事業所を表彰している。有識者で組織された審査委員会が活動の「しくみ」「運営」「効果性」「マネジメントの基盤」の4つの視点から審査を行い、受賞企業を決定した。

表彰式では、主催者を代表して日本能率協会会長・中村正己の祝辞の後、審査員の紹介に続き、受賞した各社に中村から表彰状と記念の盾が贈られた。

受賞者を代表して、東芝産業機器システム株式会社の伊藤渉代表取締役社長が「日本のものづくりで最も名誉ある賞をいただき、大変うれしく思います。昨年は私どもの三重事業所が受賞させていただき、それがご縁でほかの受賞企業様と現在も継続的に交流や工場見学をさせていただいております。今後もGOOD FACTORY賞®の理念に基づきながら改善を進め、日本の製造業の繁栄に貢献したいと思います」と謝辞を述べた。

最後に、柿崎隆夫審査委員長(日本大学理工学部シニアリサーチフェロー)が「書面審査での議論を経て、各審査委員が手分けして現地審査を行い、トップの意見、マネジメントの有り様、働いている皆様などさまざまな方々のお話や状況を観察して受賞企業の決定に至りました」と審査を振り返り、各社の評価ポイントを紹介。「ここにいらっしゃる企業の皆様は、ものづくりのトップランナーだと思っております。皆様の取り組みを参考に、我が社も続きたい、という企業が出てくるものと確信しております。本当におめでとうございました」と締めくくった。

各社の受賞理由の要旨は次の通り(敬称略)。

【ものづくりプロセス革新賞】
花王株式会社
川崎工場(日本・神奈川県)
洗濯用洗剤のアイテムや顧客ニーズの多様化など、市場環境の変化に伴い、高品質、高効率、低環境負荷の生産工程を構築した。さまざまな部署が協力して省人化・省力化を実現した生産プロセス・イノベーション、ESG視点を取り入れた「よきモノづくり」が特徴的で、生産性やCO2削減量において大きな成果を上げている。

【ファクトリーマネジメント賞】
東芝産業機器アジア社
Toshiba Industrial Products Asia Co., Ltd.(ベトナム・ドンナイ省)
クレーム増加やコロナ禍という困難を機に、ローカルメンバーへの権限委譲を進めるローカルファーストマネジメントを実施。さらにプロセス改善とDX活用、人材育成とモチベーション向上、新規事業分野の成長促進に取り組み、品質向上、生産リードタイム短縮、経常利益の増加、労働災害削減など顕著な効果を上げた。

【ファクトリーマネジメント賞】
BASFジャパン株式会社
ディスパージョン&レジン事業部 六呂見事業所(日本・三重県)
顧客要望に応える生産性向上、温室効果ガス削減、世代交代の加速化などの複合的な課題に対し、「全員参加型改善文化の定着」を目標に体系的な改善マネジメントを導入。コミュニケーションギャップの解消、改善文化の浸透、モチベーション向上施策を実施し、組織全体で課題解決に取り組む体制を築いた。

【ファクトリーマネジメント賞】
パナソニックホールディングス株式会社
杭州松下家用電器有限公司(中国・浙江省)
競争力低下に直面しながら、トップや各部門責任者の現地人材起用をはじめとする現地化、徹底的なベンチマーキングに基づく構造改革、ECM改革、工場の合理化、人材育成といった多岐にわたる取り組みを一体的に推進。過去最高の国内販売額と利益を記録し、固定費の削減、従業員満足度の向上などの成果を上げた。

【ファクトリーマネジメント賞】
フジテック株式会社
生産本部 ビッグステップ製作所(日本・兵庫県)
不易流行の理念の下、顧客要望を徹底的に満たすものづくり改革と、従業員の自主性を育む風土づくりを推進した。さらに、徹底した安全と品質管理、地域の採用難を克服する独自の取り組み、環境負荷低減を目指す活動を進め、労働災害ゼロ、離職者ゼロを達成するとともに、従業員満足度や商品品質の向上を実現した。