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JMAQA AWARDS 2023にてナラザキフーズ(釧路工場)、西田工業(竜洋工場)、リクルートホールディングスが受賞!

JMAQA AWARDS 2023 受賞組織イメージ

2023年2月17日、「JMAQA AWARDS 2023(https://www.jma.or.jp/jmaqa/awards/)」の表彰式が、東京コンファレンスセンター・品川にて開催された。JMAQA AWARDSとは、ISOを活用しながら事業とマネジメントシステムを一体化させて成長する組織を称え、紹介するための表彰制度。受賞した3社の取り組みを、当日の模様とともにレポートする。

第6回となるJMAQA AWARDS 2023では、選考委員会の審議を経て、株式会社ナラザキフーズ(釧路工場)、西田工業株式会社(竜洋工場)、株式会社リクルートホールディングスの3社が受賞。表彰式では、日本能率協会会長・中村正己より各社のISO担当者に表彰楯が授与された。

表彰式に先立つ基調講演では、元株式会社タニタ代表取締役社長・谷田大輔氏が、赤字からスタートしてヘルスメーター売上世界トップに成長させるまでの経営手腕を披露。日本の食生活に変革をもたらした「タニタの社員食堂」誕生秘話や快進撃について、理論と実体験を交えながら振り返った。その一例として挙げたのが、ベストウェイトセンターとの「異業種交流」によって社員食堂が生まれたということだ。日本が衰退期に入ったこれからの時代、ISOを活用しつつ異業種と組むなどして新事業を展開することが必要だとも強調。新事業の具体案として、食糧保存の技術開発やエネルギー投資など自給自足型のビジネスモデルを提案すると、会場は乗り出すようにして聞き入っていた。

「従業員満足と社会貢献」を実現した3社の事例

時代の変化に即した取り組みは、まさに今回受賞した3社にもあてはまる。表彰式に続いて行われたパネルディスカッションでは、各社が「従業員満足と社会貢献」をテーマにISO取得にまつわるあゆみや現状を明かし、参加企業からは多くの質問が寄せられた。

JMAQA AWARDS パネルディスカッションイメージ

まず、ナラザキフーズは、外国籍従業員の活躍を促すことで職場全体を活性化させた取組みが評価され、受賞。釧路工場では、北海道産にこだわった辛子明太子やたらこを、厳正な監査を経た衛生管理のもとで製造・販売しており、ISO認証は2020年にJFS-C規格を取得した。雇用確保はさまざまな業種で課題となっているが、同社は4割を占めるフィリピン籍従業員のために英語と日本語を併記した業務関連の文書類を作成し、コミュケーションを密に取ってきた。さらに従業員への周知活動や勉強会を定期的に行うことで、外国籍従業員が率先して改善案を出すようになり、職場全体によい刺激がもたらされたという。

同じく労働力不足に対して、女性が働きやすい環境整備として託児所(オベルジーヌ保育園)を併設し、生産ロスコストを低減させたのが西田工業である。船外機部品や二輪・四輪部品を製造販売する同社は2009年にISO9001を取得、今では社員一丸となって改善にあたっている。2020年に開園した託児所は取引先企業の社員も利用でき、地域の民生委員や行政と連携して騒音や安全にも配慮。女性従業員が増えて従業員満足度が上がり、地域貢献にもつながっている。

リクルートホールディングスは、ESG経営の環境・サステナ分野におけるさまざまな取り組みや、バリューチェーン全体のGHG(温室効果ガス)排出量削減を推進する動きが評価された。2021年に気候変動対策(Environmental)、ソーシャルインパクト・人材(Social)、コーポレートガバナンス(Governance)の分野で、コミットメントを発表したことで経営陣の意識が変わったという。情報誌の発行事業で知られた同社は、紙を大量に使用する社会的責任から植林や社内リサイクルなどの環境保全活動に取り組むようになり、2011年にISO14001を取得。今ではITを駆使した求職活動支援や顧客企業支援など幅広いサービスを手がけ、取引先と協同してGHG削減に努めている。日本国内の従業員への環境に関する周知は、意外にもエレベーターやトイレ内の掲示という「アナログ」な手法が効果的だったとも明かした。

閉会後のインタビューでは、受賞の喜びと今後の展望・抱負を次のように語った。
「今回の受賞が社員一同のモチベーションと意識向上につながり、大変喜んでいる。さらに働きやすい環境にするために、マネジメントシステムを活用して社会貢献・地域貢献につなげたい。今日は、それを考えるためのヒントをいただきました」(ナラザキフーズ)
「社員一同の協力と、審査員からのアドバイスで改善活動に成果があった。今後は、めまぐるしく変わる世界情勢や同業者の動きを注視しながら柔軟に対応して、前進していきたい。お客様に満足していただけるよう付加価値のある品物を提供してまいります」(西田工業)
「審査員のご指摘の積み重ねの先に進化があるのだと、改めて実感した。今後はカーボンニュートラルの目標をほかの企業さんと協同して一歩ずつ進め、社会に還元しながら意識を向上させるサイクルを作っていけたらと思います」(リクルートホールディングス)